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GRヤリスとセリカGT-FOURを比較してみた

2020年1月10日、東京オートサロンにて初披露された「GRヤリス」について私自身の感想を書き、約25年前に発売されていたラリーカー、セリカGT-FOUR(E-ST205)と比較してみたいと思います。

約25年ぶりの生粋のラリーカー!

2017年にWRCの復帰を果たし、そのノウハウをフルに生かし作られたGRヤリス!

ちなみにオートサロンで発表された「GRヤリスFirst Edition」には2種類のグレードが設けられてあり「High performamce」と「RZ」と言う物がある。違いはザックリ言うとホイールやシートなどが違うようだ。詳しくはまた違う機会に詳しく書きたいと思うので今回は割愛します。

GRヤリス「First Edition」のカタログスペック

・エンジン型式 G16E-GTS

・排気量 1.618 直列3気筒インタークーラーターボ

・トランスミッション 6速マニュアル

・駆動方式 電子制御4WD

・最高出力 272PS 200KW

・最大トルク 37.7kgf・m

・全長 3995㎜

・全幅 1805㎜

・全高 1460㎜

・車両重量 1280㎏ (カタログに車両重量が記載されてなかったのでパワーウェイトレシオと出力から算出しました。)

・ブレーキ フロント 18インチ4ポットアルミ対向キャリパー リヤ 16インチ2ポットアルミ対向キャリパー

この他にもスポーツシートや18インチアルミホイール、トルセンLSDなどが付いている。 

セリカGT-FOURのカタログスペック

”グーネットより引用”

・エンジン型式 3S-GTE

・排気量 1998 直列4気筒インタークーラーターボ

・トランスミッション 5速マニュアル

・駆動方式 フルタイム4WD

・最高出力 255PS KW

・最大トルク 31.0kgf・m

・全長 4420㎜

・全幅 1750㎜

・全高 1305㎜

・ホイールベース 2535㎜

・車両重量 1380㎏

2台を比較してみる

まず根本としてGRヤリスが圧倒的に差が出る所は25年という技術の進歩にあると思います。エンジン、ミッション、アクスル、ブレーキなどの電子制御から始まり、ボディの素材、製造に至るまで技術面に関してはセリカGT-FOURは2歩3歩遅れを取っているといえます。(25年も技術が進歩していない訳はないのですがね…)

エンジンスペック

次にエンジンを比較します。まずセリカGT-FOURよりGRヤリスの方が馬力に関しては17馬力差でGRヤリスが上回っています。セリカGT-FOURでも加速は問題ない位なのに、さらにエンジン出力が大きいとなると期待が高まります!

次に気筒数です。セリカGT-FOURは4気筒に対し、GRヤリスは3気筒です。気筒数が多いほどレスポンス(エンジンの吹け上がり)が良いと言えますが、この新型エンジンはどうなのかが気になるところです。しかし現代の過給器システムはとても性能が良いので、レスポンスの面もカバーしてくれる可能性は大いにあります。後は重量も重要です。GRヤリスのエンジンの方が圧倒的に軽いと思われるので、FF車ベースの4WDの車両前側に重量がいきがちですが、エンジンが軽いと重量配分の差が小さくなり乗りやすい車両になります。あと前方が軽いと旋回性が良くなりステアリングワークも軽くなります。

GRヤリスのデメリットと考えられるものと言えば既存のエンジンに載せ替える事は難しいと思われます。86「ZN6」などは駆動方式、エンジンレイアウトから、V8や直列6気筒など出力の大きいエンジンに載せ替えるチューニングショップは沢山ありましたが、FF車ベースの4WD車だとエンジンレイアウトからかなり困難になると考えます。(そもそも3気筒でここまでのエンジンがないから、載せ替えの必要が無いかもしれません。)

駆動方式

駆動方式に関しては2台とも4WDではありますが、セリカGT-FOURはフルタイム4WDに対し、GRヤリスは電子制御で駆動制御をしている。フルタイム4WDの乗り心地は面白いが、早さ、乗り心地、燃費などを考慮すると駆動力を配分するシステムを作った方がメリットが多いのかも知れません。あとミッションもセリカGT-FOURは5速マニュアルに対しGRヤリスは6速マニュアルです。昔のラリーカーなら5速マニュアルが鉄板みたいなところがありましたが、街乗りや高速道路などのドライブをする上では6速マニュアルの方が載りやすいかなぁと私は思います。後はミッションも軽くなっていると思うので、1速分の軽量化をしなくても十分軽くなってると思います。

ボディ

ボディに関して言うならまずは「軽さ」です。GRヤリスのパワーウェイトレシオが4.706と驚異的スッペクでセリカGT-FOURは5.411になります。このスペックを現在の衝撃安全ボディや電子部品の数々を搭載させながらこの軽さに驚きました(笑)パワーウェイトレシオは運動性能なので、この数値が小さいほど運動性能の良い車両だと比較する目安になります。

次に車幅です。セリカGT-FOURの車幅は1750㎜に対してGRヤリスは1805㎜とかなり大きいですね。ここまで大きくなるとアルファードとかよりちょっと小さいくらいですかね(笑)そうなると街乗りは慣れるまでは気を遣いながら運転する事になるかも知れませんが、車幅がある分コーナリングの安定感はあると思います。

全高はセリカGT-FOURの方が圧倒的に低いと思っていましたが、比較するとGRヤリスの方が10㎜程高いだけでほぼほぼ変わりません。これにも驚きました。

後はホイールベースが気になります。セリカGT-FOURよりは確実に短いと思いますが、ホイールベースが短いと旋回性能が上がります。ショートサーキットならかなり気持ちよく曲がれそうな気がしますね。逆にホイールベースが短いと直進安定性が低くなるので高速道路などの乗り心地はどのようになるのでしょうか。

まとめ

今回発売されたGRヤリスは間違いなく「面白い車」と言うことが分かります。他にも比較してみたい所はいっぱいありますが、知人が購入したので今度同乗したらまた感想を書きたいと思います。

ちなみに期間限定予約ということで、2020/01/10から2020/06/30までということですが、私の意見としては今回の購入はものすごく考えた結果、見送りました。理由としてはGRヤリス「First Edition」ということなのでそのうちSecondも出してくれるだろうという期待と、86が2021年頃にフルモデルチェンジの噂もあるので様子見をしたいと思います。しかし客観的に見るのであれば、GRヤリスは10年20年後に価格は高騰する可能性が大きい可能性がありますので、リセールバリューを考慮するなら購入しても損は少ないかも知れません。しかしこんな面白そうな車をサーキットで走らせないのは個人的には大変勿体ないと思ってしまいます。

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